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楽団員アンケート※ 2021年11〜12月に実施

大垣内 英伸
ティンパニ・打楽器
2011〜2021年の間で、記憶に残った出来事
2011年3月11日に起こった東日本大震災です。札響は震災が起こる約2週間前に文化庁の巡回公演で仙台、石巻、松島などの学校で演奏をしました。その時に訪れた学校が震災の避難所や遺体安置所になっているニュースの映像を見て、大変心が痛みました。
2011〜2021年の演奏会で、印象に残っているベスト3
《2017年10月 第604回定期演奏会》 札響×エリシュカさんの最後の演奏会。
メインの曲は札響が初めてエリシュカさんの指揮で行ったコンサートと同じリムスキー・コルサコフ作曲『シェエラザード』でした。最後となった本番とはいえ、最初にエリシュカさんが来たときと同じ、或いはそれ以上の情熱と音楽が伝わり、演奏家としても感銘深い演奏会でした。
《2011年5月 50周年欧州公演》 
欧州公演が東日本大震災の後だっただけに各地での演奏そのものも大変印象深いのですが、特に思い出に深いことは、最初の訪問地であったミュンヘンでの演奏会です。チャイコフスキー作曲交響曲第6番『悲愴』が終った後に指揮者の尾高さんが客席に向けて感謝のスピーチを行いました。内容は東日本大震災への支援等への謝辞です。その中で「日本は大丈夫です」と言っていたのが、自分たちの国の事ながら、健気でもあり、切なくもありました。会場も一体となった空気になり心に残っています。
《2018年10月 hitaruこけら落とし演奏会》
ヴェルディ作曲歌劇『アイーダ』を演奏しました。指揮者のバッティストーニさんがあまりにも素晴らしくて、演奏する我々もとても楽しい時間でした。
「還暦」となった札響の楽員として、これからこのようなオーケストラでありたい、このような楽団を目指したい、という自分なりの抱負
ヨーロッパのオーケストラの歴史と比べると、60周年はまだまだ赤ちゃんのようなものですが、オーケストラが60年間続けてこられたことは偶然でもなく自動的なものでもなく、聴きに来てくれるお客様と札響が積み上げてきたものだと思います。オーケストラはお客様がいなければ成立しない文化で、これからも北海道の、そして札幌のオーケストラとして、もっとお客さまに聴きに来ていただけるオーケストラであるべきだと思っています。札幌にはKitaraやhitaruなどの素晴らしいホールがあります。企画カを高めて、もっと注目されるオーケストラになっていけたら良いな、と思います。そのことでまた、優秀なメンバーが集まってくることになり、演奏の質も自ずと高まり札幌交響楽団としての、今まで以上の長い歴史を刻めると信じています。
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